サンクコストと恋愛――「長く付き合ったから」という重さを、三つの場面から読む

長い交際をやめられないと感じるとき、秤には何が載っているのか。旅行の積み立て、七年目の手帳、手紙の束という三つの場面から、サンクコスト効果の研究と、満足度や代替選択肢を含む投資モデルの知見を重ね、過去の年月と今日から先の判断を分けて眺める。

長い交際をやめられないと感じるとき、秤には何が載っているのか。旅行の積み立て、七年目の手帳、手紙の束という三つの場面から、サンクコスト効果の研究と、満足度や代替選択肢を含む投資モデルの知見を重ね、過去の年月と今日から先の判断を分けて眺める。

同じ大きさの得と損でも、損のほうが重く感じられる。損失回避という言葉の意味を、参照点、1979年のプロスペクト理論の実験、買い物や投資の場面、個人差の研究からたどり、判断を三つに書き分ける小さなメモを考える。

同じ金額でも、払うときと受け取りそこねたときとで重さが違って感じられる。行動経済学の研究に見える参照点と損失回避、保有効果、初期設定の力、後から足される価格を、喫茶店の朝の場面からたどり、当てはまらない場合と紙に書き分ける小さな実験までを考える。

限定の万年筆を買った翌週、食料品のメモから項目を消した。その小さな失敗をきっかけに、ひと月だけお金を生活費・備え・余裕の三つに分けてみた。心の会計という考え方と公的な呼びかけを手がかりに、分けることで判断を助けられる面と、判断がゆがむ面を考える。